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千葉県の「障害者差別解消」条例

リンク: 記者の目:MSN毎日インタラクティブ.

長男の障碍(自閉坊君)で 福岡から東京へ

療育の機会、学校、福祉等々 考えて

転勤を強要!(勤務先に理解いただき)

その頃は 就学が最大の懸案でしたが

大きくなるにつれ 悩みも大きくなります

その分、保護者もタフになりますが

   さて、介護の問題等々 住み良い自治体を

   選んで移住する そんな時代です

今は余裕がない! 家のローンで (^^;

   身軽になって 余裕があれば

   移住する それも一つの選択肢です

福岡から 東京へ 現時点では

この選択は間違いではなかった

そう云えます そう云える幸運に感謝です

     嫁さんの努力に感謝です

千葉県の「障害者差別解消」条例=森禎行(社会部)

 ◇波及期待できる市民立法--「話し合いの灯」、持続を

 千葉県議会で10月、障害者差別をなくすための条例が成立した。国や他の自治体に先駆けた内容もさることながら、障害者らが作り上げた「市民立法」という点に大きな意義がある。当初から障害者が立案にかかわり、苦労しながらも議員の心を動かした。9月まで千葉支局に勤務していた私はその過程を見てきた。地方分権で自治体の重要性が高まる今日、条例は「市民による政策づくり」の好例として、他の施策にも波及しうる魅力を備えている。

 条例の名称は「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」。「レストランへの入店を断られた」「養護学校への入学を強制された」など、障害者を取り巻く差別や「生きにくさ」を和らげ、生活しやすい社会を築くことを目指している。

 条例ではまず、教育、雇用など8分野で差別とは何かを定義した。悪質な差別に対しては、知事が改善を勧告する手続きも盛り込んだ。米英など世界40カ国以上で障害者差別禁止法があるのに対し、日本には裁判規範となる法規定がない。国連は01年、日本政府に対し、法の制定を勧告した。また、年内には国連で障害者権利条約が採択される見通しだ。「板挟み」となった国は法整備を急がざるをえないだろう。

 条例が成立するまでには多くの時間と市民の努力が必要だった。04年9月、県は差別事例約700件を公募で集めた。05年1月に障害者や弁護士、企業関係者などによる研究会が発足し、11カ月20回にわたり、集まった差別事例などについて議論した。条例を広く知ってもらうため、障害者や市民団体が主催して県内各地で勉強会や説明会が繰り返し開かれた。県は事務作業の調整役に徹した。

 従来の行政主導による「市民参加」ではなく、「市民主権」による立法活動だった。千葉県より前に同様の条例を作ろうとして頓挫した宮城県や鳥取県は、行政主導のやり方が障害者らの反発を招いたが、千葉県の条例は福祉や司法関係者から高い評価を受けている。

 「市民立法」は、阪神大震災の被災者が原動力となった「被災者生活再建支援法」(98年5月成立)で注目を集めた。作家の小田実さんらが原案を公表してから今年で10年。ほかにも「航空・鉄道事故調査委員会設置法」など市民の力は着実に国を動かしている。「福祉後進県」といわれた千葉県で、声が大きいとは言えない障害者が条例を作った意義は大きい。

 条例が成立する過程で、県議会は「チェック機能」を果たした。自民党議員が「『保護者の希望しない学校への入学』を差別とすると、学校がとまどう」と疑問を呈し、市町村教育委員会からも不安や批判の声が噴出した。予想以上の反発を受け、県は「保護者の意見を聞かない」場合に限り差別になると修正した。障害児も普通学級に入る「統合教育」の観点からは、確かに内容は後退したと言える。

 堂本暁子知事に対する反発から自民党議員が反対した一面もある。千葉県は議席の約7割を自民党が占める「自民王国」。だが仕事として「口利き」がはびこり、「(数の力で)反対はできても、政策スタッフがおらず自ら政策を作れない」と打ち明ける県連幹部もいる。

 しかし、市民主催の勉強会には多くの議員が自主的に参加し、その中には自民党議員もいた。同党政調会は10回以上開かれた。政調会委員でもある石橋清孝・健康福祉常任委員会委員長は「当初は問題を感じたが、最終的には納得いく条例になった。我々も勉強しないと市民に笑われるからね」と話す。

 堂本知事は条例を、イソップ童話の「北風と太陽」に例える。厳罰(北風)ではなく寛容さ(太陽)を大事にしたという意味だ。飲酒事故など、立法に厳罰を求める世論は大きい。しかし差別は罰するだけでは解決しない。個別の相談を受ける「地域相談員」制度や、障害者への理解を広げるための「推進会議」など話し合いの機会を多数作った。視覚障害がある研究会の副座長、高梨憲司さん(57)は「条例は決して特効薬ではないが、漢方薬のように徐々に効いてほしい」と話す。

 実は、条例案は6月、否決の危機に立たされた。当時研究会委員が口をそろえたのが「議論の灯を絶やさないでほしい」という言葉だった。無意識に生まれる差別への対応はさまざまで、運用面の課題は残されている。その克服に向け、「話し合いの灯」を今後も照らし続ける必要がある。十分な議論でみなが納得する政策ができれば、暮らしやすい成熟した「市民主権」社会に近づくと思う。

毎日新聞 2006年11月10日 東京朝刊

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